頑張れ小6、弱い心に負けるな!

頑張れ小6、弱い心に負けるな!2025年度、中学入試始まる!

- 2025年度、中学入試始まる! -

 第一志望校の入試当日。試験会場で会ったA君の顔は、ややこわばっていた。ムリもない。彼はこの中学校に進学したくて、3年間勉強を続けてきたのだ。

 一時間目はA君の得意な国語。ところが、思ったように解けない。その違和感は時間の経過とともに焦りへと変わっていった。結局何が何だかわからないうちに一時間目の試験は終了。過去問演習でも一度も経験したことのない大失敗。A君は「もうダメだ」と思ったと言う。

 入試直前、受験生たちにこんな話をした。「一時間目の科目ができなかった。そんな時どう思う?」「へこむ」「やばい」「落ち込む」と口々に答える。「でもな、そこであきらめたらおしまいなんだよ。残る科目で全力を尽くすんだ。最後の1秒まで投げ出さないこと。悔いだけは残してくるな」。そう言ってみんなを送り出した。

 A君は休憩時間にそれを思い出した。悔しくて、情けなくて、もうやめたいけど、あきらめない!最後までやりきろう!と腹をくくった。

 彼は実力を出し切ることだけ考えた。昼食時間も教室にとどまり、一人で早々にお弁当を食べ終えると、黙々と勉強を始めた。

 最後の科目算数が終了。A君はそのまま塾にやってきた。翌日、第二志望校の受験があるので勉強したいと言う。彼の戦いはまだ終っていない。

 翌日、まだ試験を受けている最中に、第一志望校の合格発表。結果は合格!試験を終えてA君はすぐ報告にやってきた。

 「国語で大失敗したけど、先生に言われたとおり、最後まであきらめなかった。あれが良かったんだね」。そう言うA君の目は澄んでいた。

 合格と不合格。受験にはその二つの結果しかない。だが、敵はライバルの受験生では決してない。自分に克つこと。逃げ出したくなったり、あきらめてしまいたくなったりする自分の弱い心と闘うことを学んでほしい。小学生がそんな経験のできる場、それが中学受験なのだ。